肘の症状

物を持ち上げると肘が痛む、曲げ伸ばしがつらい、肘から手にしびれが続く。肘の周りには、関節のほかに手を動かす筋肉につながる腱や神経が通っています。日常の作業、投球、お子さんの腕の使い方など、気になる変化をご相談ください。

けがの後に腕が変形している、手が白い・冷たい・感覚がないときは、今すぐ救急での確認が必要です。

このような症状はありませんか?

主な症状

  • 肘が痛い:肘の内側・外側・後ろなどに痛みがあります。
  • 肘の曲げ伸ばしがつらい:肘を曲げる、伸ばす動作で痛んだり、動かしにくかったりします。
  • 物を持つと肘が痛い:持ち上げる、握る、タオルを絞るときなどに肘が痛みます。
  • 投げると肘が痛い:投げる動作の途中や、投げた後に肘が痛みます。
  • 肘が腫れている:肘の周りがふくらむ、腫れぼったく感じる状態です。

あわせて相談できる症状

  • 肘から手がしびれる:肘の周辺から前腕・手指にしびれを感じます。
  • 子どもが腕を使わない:子どもが片腕を動かしたがらない、だらんとさせている状態です。

肘の症状で受診を急ぐ目安

今すぐ救急評価が必要な場合

  • けがの後の明らかな変形、骨が見える傷、止まらない大量出血がある場合。手指が急に白い・冷たい・感覚がない場合も、けがの有無を問わず急いでください。
  • けがや固定の後、腕の強い痛みとパンパンに張る感じが急速に増す場合。無理に伸ばして確かめないでください。
  • 突然腕や手がしびれた、片側に力が入らない場合は119へ。いったん症状が治まっても受診を先延ばしにしないでください。急激な脱力や急な歩行困難も救急評価を優先します。

重いけが、大量の出血、強い痛みなどで安全に移動できないときは119を利用してください。

当日中に診てもらいたい場合

肘が急に動かせなくなった、けがの後の強い痛みで腕を使えないときは、今から受診先を確保してください。変形や安全に移動できないほどの痛みがあれば、上の救急の目安を優先します。

急な強い痛みと熱い・赤い腫れ、または発熱・悪寒を伴う強い肘痛も、当日の評価が必要です。発熱がなくても急な熱い腫れを放置しないでください。意識の変化や呼吸困難、著しい全身状態の悪化がある場合は救急対応が必要です。

しびれや手の使いにくさが明らかに急速に進むときは当日評価を優先します。ただし突然・急激な発症は救急の目安を優先してください。

お子さんが急に片腕を使わなくなった場合は、当日、今から医療機関へ相談してください。引っ張られた後でも、肘内障とは限りません。転倒や腫れがある場合は骨折などの確認も必要です。変形や手の冷たさなどは救急の目安を優先し、家で腕をひねったり元に戻そうとしたりしないでください。

早めの相談を勧める場合

新しく肘が腫れた、肘から手へのしびれが続く、握りにくさが徐々に進んでいる場合は早めにご相談ください。徐々に進む症状を、すべて当日受診とするわけではありません。

迷うときは症状の変化を医療機関へ伝えてください。この一覧だけで緊急性を完全には判断できません。当日の評価が必要な場合、休診日や時間外であれば、その時に診てもらえる医療機関を探してください。

痛む場所と、困る動作を教えてください

肘の内側・外側・後ろのどこが痛むか、曲げ伸ばしと物を握る動作のどちらがつらいかは、診察の手がかりになります。重い物だけでなく、カップを持つ、タオルを絞るなど、普段の作業で困ることもお伝えください。

「物を持つと痛い」という訴えだけで、テニス肘などと決めることはできません。腫れが出た時期や、けが・仕事・運動との関係も確認します。痛む所を繰り返し押したり、強い力をかけたりして、ご自身で原因を試す必要はありません。

投げると肘が痛む場合には、痛みを我慢して投げ続けないことが大切です。練習中だけか、終わった後も痛むのか、曲げ伸ばしにも変化があるかを教えてください。

肘から手にしびれが続くときは、しびれる場所に加え、物をつかむ力や細かな作業の変化も確認します。指の位置だけでは神経の問題が起きている場所を決められません。

考えられる主な病気

同じ症状に複数の背景があり、以下の説明だけで診断はできません。診察で確認する代表的な病気を短く紹介します。

上腕骨外側上顆炎(テニス肘)

手首や指を動かす筋肉の腱が、肘の外側につく部分で傷み、物を持つ・握る動作などで痛む状態です。名前にテニスとありますが、競技をしていない方にも起こります。仕事や家事の負担も確認し、症状に応じて使い方の調整などを考えます。

上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)

肘の内側につく腱の負担や傷みに関連して、握る、持ち上げるなどの動作で痛む状態です。ゴルフに限らず、日常の反復作業でも起こります。肘の内側の痛みすべてを意味する言葉ではなく、投球による障害や神経の問題などと区別して確認します。

肘部管症候群

肘の内側を通る神経が圧迫や引っ張られる影響を受け、小指側のしびれや手の使いにくさにつながる病気です。進行すると筋力の低下を伴うこともあります。ただし、しびれる指だけで診断はできません。持続するしびれや徐々に進む使いにくさは早めに相談してください。

投球に関係する肘の障害(野球肘)

投球を繰り返す負担で起こる肘の障害の総称で、成長期では骨や軟骨などへの影響も確認します。内側だけでなく外側や後ろが痛む場合もあり、ゴルフ肘と同じ意味ではありません。投球に伴う症状について知りたい方へ:野球肘について

子どもの肘内障について

幼いお子さんが腕を使わなくなる原因の一つに、肘の外側にある骨の一部(橈骨頭)が靱帯から外れかかる「肘内障」があります。ただし、見た目だけでは他のけがと区別できません。まず当日の評価を優先し、医療者が確認します。保護者として病気の説明を確認したい方へ:子どもの肘内障について

ページを読むために受診を遅らせず、ご家庭での整復は行わないでください。

診察と検査について

いつから痛むか、けがや投球との関係、手を使う作業の内容を伺います。腫れ、押すと痛む場所、肘や手首の動き、筋力・感覚などを必要に応じて確認します。お子さんでは、腕を使わなくなった前後の出来事も教えてください。

骨や関節の確認にはレントゲンを、腱などの状態にはエコーを検討します。さらに詳しい検査が必要なときは、連携医療機関でのMRIなどを考えます。症状に合わせて選ぶため、毎回すべてを行うものではありません。しびれについて追加の専門評価が必要なら、その方法も相談します。

治療とリハビリテーションの進め方

手を使う作業や投球の負担を見直し、状態に合った薬や保護・固定などを検討します。腱の痛み、神経の症状、けがでは対応が異なります。注射などを考える場合も、適応や注意点を確認します。症状が進む場合や専門的な治療が必要な場合には、紹介を含めて検討します。

日常動作・運動へ戻るために

診察後、必要に応じて理学療法士による運動器リハビリテーションを検討します。肘だけでなく手首の使い方や作業の負担も確認し、無理のない動かし方を考えます。痛みのある投球を続けながらリハビリで補う、という考え方ではありません。

すでに診察を受けた方、治療中で利用方法を知りたい方へ:リハビリテーションのご案内

肩や手にも症状がある方へ

主に気になる場所や症状の続き方に応じて、次のページも参照できます。これらは診断結果を示す案内ではありません。

よくあるご質問

テニスをしていなくてもテニス肘になりますか?

はい。手を繰り返し使う仕事や家事などが関係することもあります。ただし、物を持ったときに痛むだけでは診断できません。どの作業で困るかを診察でお聞かせください。

肘から手がしびれる場合も相談できますか?

ご相談いただけます。肘だけでなく首や手首との関係、感覚や力の入り方も確認します。続くしびれは早めに、突然のしびれや脱力は上部の救急の目安に沿って対応してください。

子どもが腕を使わないのに、腫れがありません。受診は必要ですか?

腫れが目立たなくても、急に腕を使わなくなった場合は当日中の評価を優先してください。肘内障かどうかをご家庭で決めたり、腕を戻そうとしたりせず、医療機関に相談しましょう。

投げるときだけ痛むなら、練習を続けてよいですか?

痛みを我慢した投球は控え、早めに状態を確認しましょう。特に成長期では、普段の生活で痛まなくても確認が必要なことがあります。再開時期は、診察と運動の負担を踏まえて相談します。

受診のご案内

肘の症状は、どの作業がつらいかによって生活への影響が異なります。利き手、仕事や練習の内容、しびれの広がりなども診察時にお伝えください。

予約と受診の流れを確認する

場所を絞りきれない方へ:症状・部位から選び直す

急な腕不使用など当日評価が必要なときや、救急の目安に当てはまるときは、案内ページを読むことや通常の予約を待つことより、必要な受診を優先してください。