変形性膝関節症

歩き始めや階段で膝が痛む、膝が腫れる、曲げ伸ばしがつらい。変形性膝関節症は、関節の軟骨がすり減るなど、膝関節全体に変化が起こる病気です。軟骨だけでなく、半月板・骨・滑膜(関節を包む膜)などの変化も関係します。

桜台わいわい整形外科では、痛む場所や動き、生活で困っていることを確認し、痛みを和らげ、歩く力や生活のしやすさを保つことを目指します。

このような症状はありませんか?

変形性膝関節症でみられる膝の痛みの例
立ち上がるとき・階段での痛み・安静時の痛みの例。

動き始め・歩くとき

  • 立ち上がるときに膝が痛い
  • 歩き始めに痛む
  • 階段の上り下りがつらい
  • 長く歩くと痛む

腫れ・動かしにくさ

  • 正座や深く曲げる動作がつらい
  • 膝が腫れる・水がたまる
  • 膝が伸びにくい
  • O脚が目立ってきた

初めは動き始めに痛み、休むと軽くなることがあります。進行すると安静時にも痛む場合がありますが、症状や進み方には個人差があります。症状だけで病名は決まらないため、診察で確認します。

変形性膝関節症では何が起こっている?

正常な膝と変形性膝関節症の比較図
左:正常な膝/右:変形性膝関節症の例。

軟骨や半月板の変化に加え、関節を包む組織の炎症などが痛みに関係します。主に次のような変化がみられます。

  • 軟骨が薄くなる・関節裂隙が狭くなる:骨と骨の間のすき間が狭くなります。
  • 骨棘(こつきょく):骨の縁に突起ができます。
  • 骨硬化:軟骨の下にある骨が硬くなります。
  • 骨嚢胞(こつのうほう):骨の中に小さな空洞ができます。
  • 滑膜炎:関節を包む膜に炎症が起こり、腫れや水がたまる原因になります。

原因

加齢だけで起こるものではありません。年齢による変化、体重、過去のけが、体質、脚の形、日常生活や運動で関節にかかる負担など、複数の要素が関係します。

診断・検査

いつから、どこが、どの動作で痛むかを伺い、膝の曲げ伸ばし、腫れ、不安定さ、歩き方などを診察します。立った状態のレントゲンなどで、関節のすき間や骨の形を確認します。

O脚と膝関節のすき間の変化を示した図
左:O脚/中央:正常な関節のすき間/右:すき間が狭くなった例。

軟骨そのものはレントゲンには直接写りません。画像上の変化と痛みの強さが一致しないこともあるため、診察結果と合わせて判断します。

半月板などを詳しく調べる必要がある場合は、MRIを検討します。当院ではMRIは連携医療機関で行います。腫れや炎症が強いときは、関節液や血液の検査で、偽痛風・関節リウマチ・感染など、ほかの病気がないかを調べることがあります。

変形性膝関節症の治療

一つの治療だけでなく、症状・変形の程度・年齢・生活状況などに応じて複数の治療を組み合わせます。運動療法や生活の工夫を基本に、薬・注射・装具などを選び、経過をみながら見直します。

運動療法・リハビリテーション

変形性膝関節症に対する運動療法の例
仰向けで脚を上げる運動と、椅子で膝を伸ばす運動の例。

大腿四頭筋などの太ももの筋力、膝を曲げ伸ばしできる範囲、歩き方、日常生活の動作を整えます。当院では医師の診察・指示のもと、理学療法士が状態に合わせてリハビリを行います。

  • 仰向けで脚を上げる運動:片膝を立て、反対の脚を伸ばして、かかとを少し上げてゆっくり戻します。
  • 椅子で膝を伸ばす運動:座った状態で片脚を伸ばし、短時間保ってからゆっくり下ろします。

これらは運動の一例です。方法・回数・負荷は痛みや状態に合わせて調整します。痛みや腫れが強まる場合は中断してご相談ください。

日常生活・体重管理

正座や深くしゃがむ動作を減らし、椅子や洋式トイレを活用するなど、膝への負担を調整します。階段がつらいときは手すりを使うなど、無理のない動作を相談します。

体重が多い方は、食事や運動を見直し、無理のない体重管理を検討します。目標や進め方は一人ひとりに合わせて相談します。

薬物療法

貼り薬・塗り薬・内服薬などを使い、痛みや炎症を和らげることを目指します。持病や使用中の薬も確認して、種類や使い方を選びます。

関節内注射

症状に応じて、ヒアルロン酸などの関節内注射を検討します。痛みを和らげ、動きやすくすることを目指しますが、効果には個人差があります。

インソール・足底板

インソール(足底板)の模式図
インソール(足底板)の例

靴の中に入れるインソール(足底板)で、歩行時に膝へかかる負担のバランスを調整することがあります。脚の形や歩き方によって適応が異なるため、診察・評価のうえで検討します。

膝サポーター

膝サポーターの模式図
膝サポーターの例

膝を支え、不安定感を軽減する目的で、活動時の補助として使うことがあります。変形そのものを治すものではなく、痛みへの効果にも個人差があります。

手術治療

変形性膝関節症の手術治療の例
左から、関節鏡・骨切り術・人工膝関節置換術の模式図。

保存療法を続けても生活への支障が大きい場合は、手術を検討することがあります。膝の状態や生活上の希望を踏まえ、必要に応じて専門医療機関への紹介も含めて相談します。

骨切り術は、骨を切って脚の向きを整え、膝にかかる負担を分散する手術です。

人工膝関節置換術は、傷んだ関節面を人工の関節に置き換える手術です。

手術以外の選択肢 ― ひざのラジオ波治療

変形性膝関節症による慢性的な膝の痛みに対して、末梢神経ラジオ波焼灼療法も治療選択肢の一つです。痛みに関係する膝周囲の末梢神経の近くに針を置き、ラジオ波による熱で痛みの伝わり方を弱め、痛みの軽減を目指します。

切開をせずに行う治療で、人工関節に置き換える手術とは異なります。適応は、診察やこれまでの治療、事前テストの結果を踏まえて判断します。効果や持続期間には個人差があり、すべての方が対象になるわけではありません。

膝の痛みでお困りの方へ

「歩くと痛い」「階段がつらい」「手術以外の方法も相談したい」など、生活で困っていることをお聞かせください。診察で原因や膝の状態を確認し、治療を一緒に検討します。

膝の症状・受診の目安を見る / 症状・部位から探す