走り込みを増やしてからすねの内側が痛む、休むと軽くなるのに走るとまた痛む。そんな症状で相談される障害の一つが、シンスプリントです。陸上競技だけでなく、サッカーやバスケットボールなどでもみられます。
部活動を始めた学生や、運動量を増やした成人のランナーにも起こります。筋肉痛だと思って我慢せず、練習の変化や痛みが出るタイミングをお伝えください。
このような症状はありませんか?
- 走るとすねの内側が痛い
- 練習を始めたときや練習後に痛みがある
- 走る距離や練習日を増やしてから痛みが出た
- すねの内側に触れると痛みがある
- 休むと軽くなるが、走るとまた痛む
- 痛みでいつもの練習を続けにくい
すねの痛みには複数の原因があります。痛む範囲や強さ、休んだときの変化だけで、シンスプリントかどうかは判断できません。
シンスプリントとは
走る・跳ぶ動作の繰り返しで、すねの内側に痛みが出るスポーツ障害です。医学的には「内側脛骨ストレス症候群」と呼ばれ、英語名の略としてMTSSとも表されます。
すねの骨や周囲の組織への負担が関係しており、単なる筋肉痛や、骨の表面の炎症だけとして片づけることはできません。疲労骨折などでも似た症状が出るため、診察と必要な検査で原因を確認します。
なぜ起こるの?
急に走る距離や練習日を増やした、坂道やジャンプの多い練習に変えたなど、負荷の変化がきっかけになることがあります。硬い路面やシューズの状態も、脚への負担に関係します。
下肢の柔軟性や筋力、足首の動き、体の使い方なども合わせて確認します。足の形やフォームだけを原因とせず、練習と休養を含めて考えることが大切です。
診察・検査
痛みが出始めた時期、練習量の変化、運動中や運動後の症状を伺います。診察ではすねの状態を調べ、歩き方や足首の動きなども確認します。
シンスプリントと思っていても、疲労骨折など別の原因が隠れている場合があります。必要に応じてレントゲンを検討し、診察所見によっては連携医療機関でのMRIを考えます。レントゲンで異常が見えないことだけを理由に、原因を決めることはしません。
画像検査の必要性は一人ひとり異なります。痛む場所を繰り返し押したり、跳んで確かめたりせず、症状の経過をお伝えください。
治療
まず、痛みを起こす練習の量や強さを調整します。走ることを休む必要がある場合もあり、我慢して走り続けて慣らす方法は勧められません。
診察を踏まえて、痛みへの対応と、負担を増やさない範囲の運動を考えます。シューズや練習環境を見直すこともありますが、靴を替えるだけですべて解決するとは限りません。症状が続く場合は、診断や負荷のかけ方を再確認します。
リハビリテーション
医師の診察と指示に基づき、理学療法士が柔軟性や筋力、足首の動き、脚の使い方を確認します。状態に応じた運動を通じて、走るときの負担を見直します。
走れない時期にも行える運動があるか、患部外トレーニングも含めて検討します。どの運動ならよいかは診断と症状によるため、別の運動なら何でも続けてよいというわけではありません。
スポーツ復帰について
歩行などの日常動作の状態を確認し、軽い運動、ランニング、通常の練習へと負荷を戻していきます。再開する時期や進め方は、症状や診察所見、筋力・動作、競技内容に合わせます。
最初から以前と同じ距離や速さに戻さず、練習後も含めて痛みの変化を確認します。同じ痛みが戻ったときは無理に続けず、負荷を見直して相談しましょう。一律の再開日数や走行距離は設定できません。
受診を考える目安
運動のたびにすねが痛む、休んでも改善しない、練習を再開すると繰り返す場合はご相談ください。走ってよいか判断に迷う段階でも受診できます。
歩くことでも痛い、休んでいても痛む、腫れがある、体重をかけにくい場合は早めに状態を確認しましょう。これらは病名を自分で見分けるための項目ではなく、診察を受ける目安です。
よくあるご質問
Q. 走りながら治せますか?
症状と診察結果によります。走る負荷を減らす、いったん休むなどの調整が必要な場合があります。痛みを我慢して同じ練習を続けず、可能な運動の範囲を相談してください。
Q. 疲労骨折との違いは何ですか?
疲労骨折は繰り返す負荷で骨が損傷する骨折です。シンスプリントと似たすねの痛みが出ることがあり、痛みの広さや強さだけでは区別できません。診察と必要な検査で確認します。
Q. レントゲンは必要ですか?
骨の状態や別の原因を確認するために検討します。全員に同じ検査を行うわけではなく、レントゲンで異常が見えなくても、症状によって追加検査が必要な場合があります。
Q. シューズを替えれば治りますか?
シューズは確認する要素の一つです。練習量、路面、筋力や柔軟性なども関係するため、靴だけで解決すると決めず、負担のかかり方を見直します。
Q. いつランニングを再開できますか?
歩行時の症状、診察所見、身体の状態を確認して考えます。軽い運動から段階的に進め、ランニング再開後も距離や強さを急に増やさないようにします。
関連する情報
