ダッシュをした瞬間やボールを蹴ったときに、太ももやふくらはぎが急に痛くなることがあります。歩くことはできても、走ると痛む場合は、肉離れなどの筋肉のけがが関係しているかもしれません。
部活動をしている学生だけでなく、社会人のスポーツや久しぶりの運動でも起こります。「また走ってよいのか」「練習をどこまで休むべきか」も含め、痛めた場面と今の状態をご相談ください。
このような症状はありませんか?
- ダッシュ中に太ももやふくらはぎが急に痛くなった
- ボールを蹴る、跳ぶ動作で痛めた
- 痛む部分に触れると痛い
- 脚に力を入れると痛みが出る
- 歩けるが、走ったり加速したりすると痛い
- 腫れや内出血が出てきた
これらの症状だけで、肉離れかどうかや損傷の程度は決められません。痛む筋肉を強く伸ばしたり、全力で走ったりして確かめることは避けましょう。
肉離れとは
筋肉は細い線維が集まってできています。肉離れは、筋肉に強い負担がかかり、その線維などが傷つくけがです。筋肉と腱がつながる部分に損傷が起こることもあります。
太ももの後ろのハムストリング、前の大腿四頭筋、ふくらはぎなどに起こります。筋肉が一時的につる「こむら返り」とは異なり、損傷の状態に応じた保護や回復の確認が必要です。
なぜ起こるの?
速く走る、強く蹴る、踏み切って跳ぶなど、筋肉が大きな力を出す場面で起こります。力を出しながら筋肉が引き伸ばされることも、負担につながります。
疲労がたまっていることや、筋力・柔軟性の状態、急に運動の強さを上げたことなども関係します。一つの原因に決めつけず、練習内容や以前のけがも確認します。
診察・検査
どの動作で痛めたか、痛む場所、腫れや内出血の変化、歩行への影響を伺います。診察では、筋肉の痛みや力の入り方、関節の動きなどを確認します。
必要に応じてエコーで筋肉の損傷や出血の状態を調べます。より詳しい確認が必要な場合には、連携医療機関でのMRIを検討します。すべての方に画像検査が必要なわけではありません。
骨折や腱の損傷など、別のけがでも似た症状が出ることがあります。骨のけがが疑われる場合には、レントゲンなどを検討します。
治療
痛めた直後は競技を中断し、患部を保護して負担を減らします。歩くことでも痛みが強い場合は、無理に体重をかけず受診してください。診察を踏まえ、必要な保護や痛みへの対応を考えます。
回復の途中では、休ませることと動かすことのバランスが変わります。ずっと動かさない、痛くても強くストレッチする、といった一律の方法ではなく、損傷の程度と時期に合う負荷を選びます。ストレッチの開始時期や強さも相談しましょう。
リハビリテーション
当院では、医師が必要性を判断し、指示のもとで理学療法士がリハビリを担当します。痛みや筋力、柔軟性、歩き方を確認し、筋肉にかける負荷を調整します。
回復に合わせて、走るときの脚の運びや体の使い方、蹴る・跳ぶ動作も確認します。患部を保護する時期には、負担を避けられる範囲で患部外トレーニングを検討します。運動は状態に合わせて選び、自己判断で全力動作を試すことは控えてください。
スポーツ復帰について
日常生活で痛みがなくなっても、全力疾走に対応できるとは限りません。痛み、診察所見、筋力や柔軟性に加え、競技で必要な動作を確認します。
歩行からジョギング、加速、ダッシュへと負荷を上げ、競技に応じてジャンプやキックも段階的に取り入れます。すべてを同じ日に試すのではなく、実施中や実施後の反応をみながら進めます。
同じ場所を再び痛めることもあるため、復帰を急がず、練習量や疲労のたまり方も見直します。再開時期は一律の日数では決められません。
受診を考える目安
運動中に急な痛みが出た、歩く・走ると痛みが残る、腫れや内出血がある場合はご相談ください。いったん軽くなっても、練習を再開すると同じ場所が痛む場合も確認が必要です。
強い痛みで歩きにくい、体重をかけられない、腫れが大きい場合は早めに受診してください。「歩けるから軽いけが」とは判断せず、競技再開前の不安もお伝えください。
よくあるご質問
Q. 歩ければ軽い肉離れですか?
歩けるかどうかだけで損傷の程度は判断できません。普段の歩行より走る動作の方が大きな力を必要とします。歩けても運動時に痛む場合は、状態を確認しましょう。
Q. ストレッチした方がよいですか?
時期や損傷の程度によります。痛めた直後に強く伸ばすことは避けてください。必要なストレッチは、診察やリハビリで方法と負荷を確認して行います。
Q. いつから走れますか?
痛みの経過、筋力や動き、損傷の状態を踏まえて考えます。軽く走れることと全力疾走できることは異なるため、強さを段階的に上げます。
Q. 同じ場所をまた痛めることはありますか?
再び痛めることがあります。筋力や柔軟性が十分に戻っているか、急に負荷を増やしていないかを確認します。以前に痛めた時期や復帰後の経過もお伝えください。
Q. エコーやMRIは必要ですか?
診察に加えて損傷の状態を確認するために使う場合がありますが、全員に両方を行うわけではありません。MRIが必要と判断した場合は、連携医療機関での検査を検討します。
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