腰痛、神経痛

腰痛、神経痛

腰痛は日本人の約3割が抱えているとも言われる国民病です。
また、腰椎の中には脊髄と言われる中枢神経が走っており、脊髄や神経が障害されると下肢のしびれや歩行障害など生活に大きな影響を及ぼします。
放っておくと腰の変形や症状が進行してしまうため、専門医による適切な診断と治療が必要です。

代表的な疾患として下記のものがあります。
・腰椎圧迫骨折
・変形性腰椎症
・腰椎椎間板ヘルニア
・筋筋膜性腰痛症

腰椎圧迫骨折

骨粗しょう症が原因で生じる背骨の骨折で、高齢者では軽い外力でも生じます。突然の強い腰痛や下肢のしびれを伴う方がいる一方で、特に原因がなく軽度の腰痛で生じることもあるため、「いつの間にか骨折」と呼ぶこともあります。
放置すると腰痛が長引いたり、背中の変形が大きくなります。治療にはコルセットによる腰の固定が2-3ヶ月は必要です。コルセットは各々の体型に合わせて作成するため、治療初期は腰椎専用の簡易の固定具で固定します。
腰椎圧迫骨折は治癒過程で非常に重要です。初期には安静が必要ですが、痛みが和らいだら徐々に筋力を回復させるためにリハビリテーションを始めます。リハビリでは、筋肉の強化、柔軟性の向上、姿勢の改善を目的としたエクササイズが行われます。特に腰周りの筋肉を鍛えることで、再発予防と日常生活の質の向上が期待できます。
腰椎圧迫骨折の予防には骨粗しょう症の検査と治療が必要です。
 →骨粗しょう症について

変形性腰椎症

加齢や過度の腰への負荷により、腰椎の椎間板や関節が変形する疾患です。関節の変形による腰痛や、変形した腰椎が神経を圧迫することで下肢の痛みやしびれが生じます。
治療には、痛みの緩和を目的とした薬物療法(内服やブロック注射)を行い、筋力強化や柔軟性向上による症状進行予防のために体幹や下肢を中心としたリハビリテーションを行います。

腰椎椎間板ヘルニア

椎間板の中心部が外に飛び出して、神経を圧迫する疾患です。これにより腰痛、下肢の痛み、しびれや筋力低下が生じます。急激に発症することが多いですが、殆どの場合で時間経過と共に症状は改善します。
治療には、まず痛みの緩和を目的とした薬物療法(内服やブロック注射)や、コルセットや腰部固定帯での固定を行います。また、腰臀部筋力強化や柔軟性を高めるリハビリも重要です。

筋筋膜性腰痛症

腰への繰り返しストレスや、急に重いものを持つことなどで、腰の筋肉や筋膜が損傷して痛みが生じます。
症状は損傷した筋膜部位の痛みや凝り感で、特定の動作により悪化します。
治療には、まず安静と痛みの緩和を目的とした薬物療法が行われます。当院では高精細エコー検査で損傷した筋膜を確認しながら薬液を注射する、エコーガイド下ハイドロリリース注射を行っております。
日常生活での特定の動作が原因となることが多く、リハビリテーションでストレッチ、筋力バランスを整える運動療法、姿勢改善指導で症状改善や再発防止が可能です。