骨粗しょう症

骨粗しょう症とは?

骨粗しょう症は、骨密度が低下し、骨が脆くなる病気です。骨粗しょう症になると、少しの衝撃でも大腿や腰など体を支える骨が折れやすくなり、寝たきりになるケースもみられるなど、大きな問題になることがあります。
骨粗しょう症は高齢者や閉経後の女性に多く見られ、無症状で進行するため、骨折するまで気づかないことが多いです。そのため、定期的な骨密度検査で早期発見・早期治療を行うことが重要です。

骨粗しょう症の検査

当院ではDEXA法(デキサ法)という骨密度検査を行っております。
DEXA法は腰椎や大腿骨など体を支える骨の骨密度測定が可能であり、全身の骨密度を総合的に評価できます。他の方法(超音波法や前腕を用いた検査)に比べて測定誤差が少なく、非常に高精度で信頼性が高いです。骨密度の微細な変化を正確に捉えることができるため、骨粗しょう症の治療効果を判定することもできます。
DEXA法は放射線を用いた検査ですが、放射線量は極めて低く、安全性が高いことも大きな利点です。他のX線検査と比較しても被ばく量が少なく、安心して繰り返し検査を受けることができます

骨粗しょう症の予防

骨粗しょう症の予防には①運動 ②食事 ③日光浴が大切です。

①運動
運動は骨を強化し、骨密度を維持するために欠かせません。ウォーキングや筋力トレーニングなど骨に負荷がかかる運動は骨の再構築を促進します。また、定期的な運動で筋力を維持することで転倒防止にも効果的です。

②食事
カルシウムとビタミンDの摂取が不可欠です。カルシウムは骨の主要成分で、ビタミンDはカルシウムの吸収を助けるために必要です。
逆にアルコールやカフェインの過度の接種はカルシウムの吸収を妨げ、排泄を促すため骨密度減少に繋がります。

「カルシウムを多く含む食品」
牛乳 乳製品 小魚 干しエビ 豆類 小松菜 モロヘイヤ

「ビタミンDを多く含む食品」
鮭 さんま かれい うなぎ 煮干し 干し椎茸 きくらげ しらす干し いわしの丸干し すじこ

③日光浴
摂取したビタミンDは日光浴をすることで活性化されます。
一般的には、日中の10~15分程度の日光浴が効果的です。顔や腕、脚などの露出部分を日光に当てることで、必要なビタミンDを効率的に生成できます。
ただし、過度な日光浴は肌のダメージを引き起こす可能性があるため、紫外線対策をしながら適度な日光浴を心がけましょう。

骨粗しょう症の治療

骨粗しょう症の治療は大きくわけて4種類あります。

①骨吸収抑制
一般的に行われている治療です。
主に内服ですが、治療効果増強のために注射で行うこともあります。

ビスホスホネート製剤 内服または1ヶ月に1回の注射
選択的エストロゲン受容体作動薬(SERM) 内服
ヒト型抗RANKLモノクローナル抗体製剤(デノスマブ) 半年に1回の注射

②骨形成促進
近年開発された新しい治療です。
注射製剤のみになります。

副甲状腺ホルモン製剤(PTH)
自己注射、通院での皮下注射などがあります。
現在使用できる期間は2年間と定められています。

③骨吸収抑制と骨形成促進の両方

ヒト化抗スクレロスチンモノクローナル抗体製剤(ロモソズマブ)
1ヶ月ごとに通院で皮下注射を行います。
現在使用できる期間は1年間と定められています。

④栄養補助
ビタミンD製剤

詳しくは受診された際に医師にご確認ください。