糖尿病はインスリンという、膵臓から出るホルモンが働かないために、血液中を流れるブドウ糖という糖(血糖)が増えてしまう病気です。インスリンは、血液中の血糖を一定の範囲におさめる働きをしています。
血中の糖の濃度(血糖値)がずっと高いままだと、血管が傷ついて(動脈硬化を起こし)、より重い病気を引き起こします。
糖尿病の3大合併病といわれる病態には以下の3つがあります。
● 糖尿病性神経障害:手足の神経が異常をきたし、足の先や裏、手の指に痛みやしびれなどの感覚異常があらわれる。
● 糖尿病性網膜症:眼の網膜の細かい血管が傷ついて、放置すると失明することがある。
● 糖尿病性腎症:腎臓にある非常に細い血管がむしばまれていく合併症で、老廃物を排出する腎臓の機能が損なわれ、放置すると透析が必要になってしまう。
また、糖尿病は動脈硬化性疾患のリスクの1つです。(その他には、高血圧、脂質異常症や喫煙、遺伝、肥満など)
動脈硬化が進むと、脳梗塞や心筋梗塞などのリスクにもなります。
さらに、著しく高い血糖は、それだけで昏睡をおこし、危険な状態になることもあります。
糖尿病の早期発見には定期的に健康診断を受けることがとても大切です。
高血糖の症状
糖尿病は症状がなく、気づかないうちに罹ってしまっていることがあります。
糖尿病では、かなり血糖値が高くなければ症状が現れません。
症状には以下のようなものがあります。
喉が渇く、水をよく飲む
尿の回数が増える
体重が減る
疲れやすくなる
高血糖の治療
● 食事療法
● 運動療法・・・ただし、患者さんの状態によっては運動制限が必要な場合があります。
● 薬物療法
● インスリン治療
治療の基本はまずは食事と運動、そして薬物療法です。それぞれの患者さんの糖尿病の段階に合わせた適切な治療が必要です。